斜め上の雲 25

外交




 韓国には徴兵制度がある。男子は十九歳になれば徴兵検査を受けて、国民の義務である兵役をつとめなくてはならない。
 むろん、陸軍士官学校にかよう華秉にはその義務は課せられないが、世実にはそれがある。
 だが、たれもが現役兵として服務するわけではない。徴兵検査の結果や事情によっては、公共団体や国家機関などでの後方勤務によって兵役の代替とすることもある。
 徴兵検査などの結果、世実は公益勤務要員となり二十一歳の夏から二年六ヵ月間、政府の外郭団体につとめることになった。
「世実は公益勤務要員なのか。からだはそう悪くなかったはずだが」
 休日を利用してたずねてきた華秉はわらっていった。
「ウリはひとり息子だしなぁ」
 世実は肩をすくめた。氏族の絶えるおそれを考慮して、ひとり息子は公益勤務要員にまわされることがままある。
「まさか、これではあるまいな」
 華秉は親指と人差し指でマルをつくった。
「高官は身内にいないし、江南に住めるほどの金持ちでもない。よく知っているだろうが」
 世実は苦笑した。高官、議員の身内が徴兵を避けて海外に移住したり、賄賂をつかうことはよく知られていた。江南は富裕層が多く住むソウルの高級市街地であり、住民たちが徴兵をのがれるために賄賂をつかうとして知られている。

「ウリが民族の誇らしい歴史を研究する学者をめざしている、ということも考慮されたときいたのだが」
「そういえば世実、主体思想はどうじゃな?」
 華秉は満足そうにうなずいて問うと、世実はくびを横にふった。
「ああ、あれはむずかしい。それに」
「それに?」
 華秉は身を乗りだした。
「もっとさかのぼって、韓民族の根源である古代朝鮮の歴史を解きあかすほうが先だ」
 世実は、いった。
「ウリナラは先進国として日に日に発展し、アジア一の成長国だというのに、ウリたちはその根源を知らなさすぎる」
 これは恥ずかしいことだ、と世実はいった。
「うむ。ウリたちが誇らしい歴史をちゃんと知らないから身の程知らずのイルボンが好きかってに歴史を捏造する。とくに最近はひどいな」
 華秉は、いった。
 八二年には、日本の歴史教科書が検定で「侵略」を「進出」と書きかえられたという報道があり韓国では日本批判がたかまった。じつは朝日新聞の誤報でありそのような事実はなかったのだが、朝日が明確な訂正謝罪をおこなっていないこともあって韓国ではその事実がほとんど知られていない。
 また、このころには、吉田清治という日本人が大東亜戦争中に朝鮮人の少女らを「従軍慰安婦」「挺身隊」として連行したことを告白したという報道があり、歴史認識に対する問題がふたたびさかんになりつつあった。
 ウリミンジョクの優秀性を信じこみその歴史を誇ろうとしている華秉と世実も、日本の非道に憤慨しているくちであった。

 華秉と世実は、韓国の成長発展をまのあたりにし誇らしい古代の歴史をまなぶことで、ウリ民族の優秀性を確信して自尊心を肥大させていったが、たしかにこの時期の韓国はうまくやっていたようにもおもえる。
 とくに外交がそうである。冷戦構造の崩壊に乗じて、九〇年にはソ連と国交をむすび、さらには中国との交流を拡大するなど、北方外交を活発にするようになったのである。
 だが、韓国は台湾と国交があり、中国と国交をむすべば台湾とは断交となる。小平の開放政策によって経済成長のいちじるしい中国は、台湾と国交のある中南米やアフリカの国々に対して、援助や借款をちらつかせ、さらには周恩来以来の伝統である札束にものを言わせたロビー工作――かつては国民党も得意としていたのだが――をおこない、中国との国交を樹立、台湾と断交させることに成功していた。

 韓国は、中国との国交をむすばないよう求める台湾政府に対して、
「中華民国との断交はありえない」
 といいきった。
 が、条件があった。
「わが国の車を購入してもらいたい」
 当時、韓国の車は国際市場できわめて不評であり在庫が累積していた。手ごろな価格感もあって一時はよく売れたのだが、故障の多さやアフターケアの粗雑さが露呈し、販売台数が極端に落ちこんだためである。
 台湾は、韓国の要求どおり韓国車五万台を購入した。

 結果からいえば、台湾はうらぎられた。
 九二年八月、韓国は中華人民共和国と電撃的に国交を樹立し、中華民国と断交したのである。つまりは、弱みにつけこんで五万台の在庫を押し売りしたあげく、簡単に約束を踏みにじったといっていい。しかも、国交樹立前夜に中華民国大使館の土地名義をひそかに中国名義に書き換えて、中国に献上したのである。
 そのちょうど二十年前、日本も中華民国、すなわち台湾と断交して中国と国交を樹立したが、このようなしうちはしていない。
 あくまでも台湾との関係を維持するべく民間での交流を継続し、大使館機能を代行する交流協会を設置した。しかも前年に中華人民共和国が国連の「中国」代表権を取得し、中華民国が国連を脱退したさいには、蒋介石中華民国総統に「中国」ではなく「台湾」という国家として国連に加盟する道をとるべきだと説得している。

 世界史における外交史をみても、一国が他の国に対する例として、このときの韓国ほどむごい嗜虐的外交というものは例がない。先進国同士では通用しない外交政略を、相手が宗主国にさからっていて、しかも窮状にある台湾ともなると、平気でとるというところに、韓国人のむごさがあるであろう。

 また、後年のことになるが、二〇〇二年におこなわれる第一四回アジア競技大会の開催地候補として釜山と高雄が決選投票となったさい、
「台湾は国家とはみとめられないので、開催の資格はない」
 といい、釜山の信任投票にするよう主張した。
 これだけのことをしておきながら、九七年のアジア通貨危機にさいしては、
「両国間の関係改善のため」
 と、臆面もなくいい、台湾に百億ドルの援助をもとめてきたのである。もちろん、台湾は一顧だにしなかったが。

 約束の履行という点において韓国――北朝鮮もそうであるが――は半万年虚言体質とでもいいたくなるほどに平然とやぶる。しかしかといってここまで容赦会釈ないやぶり方というものは、やはり相手が格下の国であるという蔑視によって倫理的良心を毛ほども感じずにすむというところがあるのではないか。
 いずれにせよ、台韓断交直前における韓国の態度は外交というにはあまりにもむごすぎるものであり、これについては錫元もみとめざるをえない。

 外交といえば、この時期、日本に対しての姿勢がきびしくなってきている。
 九一年には、すでにふれたように「従軍慰安婦」問題について元従軍慰安婦らが日本政府に補償を提訴した。日本でも、朝日新聞が著書によって問題を提起した吉田清治をさかんに称揚し、吉見義明中央大教授らが論陣をはって日本軍の犯罪体質を告発するなど、日韓の連帯によって運動はもりあがっていた。
 兵役を終えて復学した世実もその運動にくわわっていた。デモ行進に参加して日本大使館に卵をなげたり日章旗を焼くなど、そのうごきはよくめだった。

 世実は、兵役の代替で公益勤務要員をつとめていたが、とくに訴訟などをあつかう役所や団体にながくつとめた。しぜん、弁護士や国会議員といったひとびととの接触もしげくなり、そのなかでいっぷうかわった国会議員と親しくなった。
 おだやかな顔つきで、きどらない庶民派弁護士出身の国会議員として高名なその男は、盧武鉉といった。もっとも、かれは九二年に一度落選し、数年後補選でかろうじて当選復帰した。
 世実は、盧武鉉に気にいられたこともあって、学生運動家として野党の現役国会議員たちの事務所に出入りするようにもなった。はげしいデモに参加するだけでなく、舌鋒がするどく論旨の明快な議論を得意としたかれはたちまち有名になり、野党だけでなく与党議員にも知られるようになった。


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美浜ちよ「今回は、韓国の徴兵制と外交についてですね」

よみ:水原暦「そうか、韓国は徴兵制だったな」

ベッキー:レベッカ宮本「ああ。満19歳になった年に、地方兵務庁の徴兵検査場で身体検査を受けて、合格・不合格が決定される(兵役処分)」

美浜ちよ「病気や心身に障害がなく(もしくは服務に影響しない程度の軽い障害)、高校卒業以上の男子は1〜3級で現役合格、それと同じ状態で学歴が中学卒業以上は4級で補充役合格、心身の障害が激しく現役服務に適さない中学中退以下の人は5級で不合格ですが、第二国民役を課せられます。全ての兵役義務が行なえないほどの心身の障害がある人は6級で不合格、兵役免除です」

桃瀬くるみ「1〜4級が甲種・乙種合格、5級が丙種、6級が丁種に相当するわね。って大日本帝国の徴兵制度とほとんど変わらないじゃない!」

ベッキー:レベッカ宮本「徴兵制の形態なんて、どこの国でもそう変わるもんでもないしな。韓国の場合陸軍主体だから、だいたい陸軍に配属される。これ以降は陸軍を例にとって進めるぞ。
 徴兵検査の結果が出たあと、さまざまな手続きを経て数ヵ月後に入営して、数日かけて身体検査・適性検査を行なった後、基礎訓練部隊に配属されて、6週間の新兵教育(基礎訓練)を受けるんだ」

新兵教育の内容
1週目 入所式、軍隊礼節、忠孝礼教育
2週目 制式訓練、徒手体操、射撃術予備訓練
3週目 拳道、射撃行軍
4週目 遊撃、銃剣術手榴弾
5週目 生化学武器防御、救急法、体力測定
6週目 総合評価、軍事保安修了式

『韓国の軍隊 徴兵制は社会に何をもたらしているか』尹載善 中公新書より引用


ベッキー:レベッカ宮本「ちなみに本文でも書かれているように、韓国の場合全ての合格者が現役兵として服役するわけじゃない」

芹沢茜「公益勤務要員ってやつか」

ベッキー:レベッカ宮本「そうだ。4・5級の中から選ばれて、基礎訓練後、国家機関・地方自治体・公共団体での勤務や社会奉仕を以て兵役服務の代替とするんだ」

よみ:水原暦「ドイツにそれに似た制度がありましたね」

美浜ちよ「ドイツの場合、良心的兵役拒否者は老人介護施設での介護作業や社会福祉事業、環境保護活動、消防活動等に従事するというものですね」

ベッキー:レベッカ宮本「その制度自体はいいんだが、これを悪用しようとする輩が出るのはお約束だ」

芹沢茜「?」

桃瀬くるみ「現役服務をしたくない連中が逃げこもうって算段ね。第10回でも引用した文章だけど、今回は中略無しで載せておくわ」

 徴兵逃れは、軍人の側からも手引きする者がいるらしい。一九九九年六月、国防省検察部は現役将校八十八人を含む四百余名を捜査し、軍人五名を拘束したが、当時の新聞は「カネで兵役を免除されたり、よい配置に就くことができるということは、韓国社会の公々然たる噂だ」と報じていた。このとき起訴された兵務庁の募兵連絡官だった元准尉などは、富裕層の百五十四名から総額五億四千万ウォン受け取っていたというからすさまじい。親たちは子供に兵役を逃れさせようと、工作に懸命なのである。ソウルの漢江南岸の高級住宅地では、現役入隊をすることになった若者に対して「お前のお袋さんは継母じゃないのか」という冗談が交わされるという(『朝鮮日報』九九年六月十三日付)。実母だったら、工作して現役にならないようにするはずだというわけで、闇の運動の激しさを物語っている。
 徴兵検査の判定には、現役合格者と不合格(徴兵免除)者との間に、防衛兵という区分がある。一家を扶養する大黒柱的存在の者や、体力、学力がいちじるしく不足している者、入隊せずに役所に通い、公務員の補助をすることで、兵役に代えるというものである。服務期間は半年から一年というから、あらゆる面で現役入隊(二年以上服務)より楽である。九三年の国防省特命検閲団(兵務非理の監査のため、金泳三政府が特別に設けたもの)が行なった兵役義務の実態調査によると、徴兵検査を受けた者のうち、仝縮鮃膤兵圈↓∨姫卻爾糧縦蠅鮗けた者、J写鯡判者の割合は、全国平均で五五%、二七%、一八%になっているが、江南の高級住宅地ではそれぞれ三四%、五六%、一〇%で、防衛兵の割合が倍以上になっており、これが大いに利用されていることが分かる。

エリートに多い兵役未経験者

 そういう空気の中で成長したエリートたちだからだろうか、社会の指導層のなかに、兵役未経験者が三分の一もいる――という数字にも出くわした。『月刊朝鮮』九五年十一月号が、行政府の長・次官、道知事(日本の県知事に当たる)、市長、大統領府の首席秘書官、与野党の重鎮国会議員百三十九名を調べた結果、軍務に就いたことのないものが三三・六%に上った、というのである。
 思えば、この手の報道をこれまで何遍見聞きさせられたことであろう。韓国は徴兵制がしかれており、普通の若者はきちんと兵役義務を果たしているだけに、富裕層の子弟の徴兵逃れに対しては不満が強く、問題にされることが多い。九七年の大統領選挙のさい、ハンナラ党総裁である李会昌候補の子息が兵役に就いていないことが判ったときは、同候補の支持度が急落するということもあった。にもかかわらず「けしからん」という声の割りには、少し時間が経つと、また元に戻っているのが実情である。
 そこで二〇〇〇年の国会議員選挙からは、立候補者は兵役履行の有無を申告することが法的に義務づけられ、選挙管理委員会がそれを公表することになった。それによると、候補者の二三・二%が軍隊に行っていないとのことである。国民全体の数字は四・三%だから(『朝鮮日報』二〇〇〇年三月二十九日付)、極めて高い数字である。年の初めに市民団体が、兵役非理の疑いがある指導層人士二百余名の名簿を検察に提出していたが、こうしたキャンペーンがどれだけ効果を上げるかは疑問である。軍隊嫌いの底には武蔑視の伝統がでんと居座っているからだ。
 そうしたキャンペーンが、富裕層の子弟の抜け駆けを告発するというレベルにとどまって、この伝統を問題にしない限り、告発者が権力者あるいは富者になったとき、同じことが繰り返されるであろう。それはこれまでの経過が示している。

『物語 韓国人』田中明 文春新書


ベッキー:レベッカ宮本「余談だが、作者は初めてこの文章を読んだとき『エドワーズ委員会の調査けぇ?』と思ったらしいぞ」

よみ:水原暦自由惑星同盟フリー・プラネッツのアレですか」

桃瀬くるみ「『銀英伝』か…」

「エドワーズ委員会」という民間団体がある。昨年、「スタジアムの虐殺」で犠牲になった故ジェシカ・エドワーズ女史を記念し、反戦派の人々が結束してつくった組織である。この委員会が、ひとつの問題を提起した。それは徴兵の不公正に関してであった。
 政界、財界、官界の重要人物たちのなかで、徴兵適齢期の子息をもつ二四万六〇〇〇人を対象として調査をおこなったのだが、結果はあきれたものだった。子息を軍隊に入れていた者は一五パーセントに満たず、前線に送り出していた者は一パーセント以下であったのだ。

『銀河英雄伝説 3 雌伏編』田中芳樹 徳間文庫


芹沢茜「固有名詞を韓国のに変えても違和感がねーよなぁ」

桃瀬くるみ「韓国の場合、
芸能人プロ野球選手も兵役逃れをやっていたわね」

ベッキー:レベッカ宮本「そうだったな。それにもましてバカバカしいのはWBCでの話だ」

【WBC】韓国若手選手の兵役免除問題は?

 日本を破ってアジアラウンドを1位で通過したWBC韓国代表チームの若手選手に、大きなプレゼントが贈られる。

 日本に劇的な逆転勝ちを収めた5日夜の東京ドーム。辛相佑(シン・サンウ)韓国野球委員会(KBO)総裁は試合直後に記者席を訪れ「兵役免除問題もまた、米国で2次リーグが始まる前に国防部と協議して解決したい」と語った。若手の選手たちの願いである兵役問題をズルズル延ばさないという意志表明だ。

 しかし、辛総裁は兵役免除の基準をアジアラウンド1位通過とするか、それともベスト4進出にするかに関しては言及しなかった。

『スポーツ朝鮮』 2006年3月6日付 朝鮮日報


【WBC】韓国政府・与党、代表選手に兵役特例

 韓国政府と与党ヨルリン・ウリ党は17日、無敗で準決勝進出を決めたWBC韓国代表選手に兵役特例を与えることを決定した。

 韓国代表のうち、今回の特例措置の対象となる選手はチェ・ヒソプ、キム・ソンウ、オ・スンファン、キム・テゴンら計11人。

2006年3月17日付 朝鮮日報


非人気種目選手にも兵役特例措置を検討

 国防部の関係者は、野球などの人気スポーツだけでなく、非人気スポーツ種目の選手にも、平等な兵役特例を与えるかどうか慎重に検討している。

 国防部の関係者は23日、「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、まだ兵役義務を終えていない11人に対して特例措置を取ることにしたが、他のスポーツ分野の世界選手権大会に入賞した選手に対しても特例措置を検討してほしいとの要請が文化観光部からあり、総合的にこの問題を検討している」と明らかにした。

 尹光雄(ユン・グァンウン)国防長官は今月22日、各メディアの論説・開設委員を対象にした政策説明会で、「各種目別に権威のある大会を指定し、(特例措置が)適用されるように原則と基準を設ける予定」とし、「その時々の盛り上がりや世論に左右されることなく、平等な政策作りを目指す」と明らかにした。

 国防部は、関連分野の専門家からなる、「兵役特例制度・改善委員会」(仮称)を組織する予定で、この委員会では人気種目・非人気種目に関わらずスポーツ選手が平等に兵役特例の恩恵を享受できるような方策を検討する予定だ。

 一方、大韓体育会の金正吉(キム・ジョンギル)会長は23日、中区・小公洞のウェスティン・朝鮮ホテルで記者懇談会を開き、「スポーツ選手に対する兵役特例措置について、種目の人気・非人気によるわけ隔てなく、均衡の取れた形となるよう再検討しなければならない」と明らかにした。

2006年3月24日付 朝鮮日報


コーチ協議会「世界選手権3位入賞者にも兵役特例を」

 国家代表コーチ協議会が、世界選手権大会で個人戦3位以内に入賞したり、団体戦でベスト4入りを果たした選手、またはユニバーシアードでの優勝者に対し、兵役特例の恵沢を与えるよう要求した。

 コーチ協議会は24日、泰陵選手村で臨時総会を開き、このような内容を骨子とする建議書を採択、大韓体育会に提出した。

 この建議書には44の会員団体のうち、同日の総会に参加した18種目の監督およびコーチ48人が署名した。

 コーチ協議会会長を務めるピョン・ギョンス射撃代表チーム監督は「施設さえも満足に整っていない環境を乗り越え、国の位相を高めた人気のないアマチュア種目の選手たちにも、兵役特例を拡大すべきとの意味」と説明した。

2006年3月25日付 朝鮮日報

ベホイミ「兵役免除をエサに使うな!ったく兵役をなんだと思ってるっスか!」

メディア「国家自らが兵役免除を『特典』とするかのような処置を取るのは、軍事というものを軽視、もしくは蔑視しているとしか思えませんね」

ベッキー:レベッカ宮本「ベホイミとメディアの言うとおりだ。なにか履き違えているのか、軍隊ひいては武というものを蔑視どころか、なめているとしか思えないバカバカしい騒動だな」

芹沢茜「武の軽視かぁ。田中明の文章に通じるものがあるよな」

よみ:水原暦「誰だって、できれば兵役に就かずにすませたいでしょうけど、国家がすすんで兵役義務の価値を貶ししめるようなマネをしてはダメですよね」

桃瀬くるみ「兵役逃れのために留学や、わざわざ外国に行って出産したり、移民して外国籍を取る韓国人って多いわよね」

ベッキー:レベッカ宮本「そのとおりだな。作者がここを書いているとき、ちょうどこんなニュースが飛び込んできた」

盧大統領「軍隊で無駄に時間を過ごさない制度を研究中」

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は21日の演説で国防改革について説明し、「最近は少子化が進んだ。何年も軍隊に行って無駄に時間を過ごすのではなく、その期間に多くの活動をして早く結婚し、子供を生んだほうがいいだろう」と述べた。

 盧大統領は「韓国の社会制度を全部早婚に変える必要がある。早い結婚、早い就職の制度ですべてを変えないと経済的に停滞する。現在そのための計画を立てている。早く結婚する政策、制度を開発中だ」と明らかにした。

 政界の一部では与党が来年の大統領選挙の公約として、現在の徴兵制に代わり志願兵で軍を構成する募兵制の導入を検討しているとの話が流れているという。盧大統領の発言も徴兵期間の短縮や募兵制を念頭に置いているとの見方がある。

 しかし国防部の関係者は「大統領府から募兵制について検討するよう指示を受けたこともなく、検討したこともない」と明らかにした。一方盧大統領が若者の徴兵期間について「何年も時間を無駄に過ごす」と発言した点についても、「軍の最高統帥権者として国防の義務をおとしめた」との批判も出た。

2006年12月22日付 朝鮮日報


統制権:「恥を知るべきだ」盧大統領、国防OBらを非難

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は21日、戦時作戦統制権の韓国軍への早期移管に反対している国防長官・参謀総長経験者らを激しく非難した。

 盧大統領はこの日、民主平和統一諮問会議の第50回常任委員会の席上、「自国の軍隊を作戦統制権も十分に行使できない軍隊にしておいて、“おれは元国防長官だ”“おれは元参謀総長だ”と過去の肩書きをぶら下げて偉ぶるようになってしまったということなのか。それで、作戦統制権を取り戻してはいけないと、集団で押しかけて声明を出したりしてるのだろうが、自分らが職務を放棄したのではないか。少しは恥を知るべきだ」と述べた。

 そして、「作戦統制権を取り戻せば、韓国軍はうまくやっていくだろう。電話機も車も船もうまく作れるのに、なぜ作戦統制権だけ行使できないのか」と主張した。作戦統制権の移管を推進する背景については、「北朝鮮の有事に備えるためのもの」だと述べた。

 盧大統領は「(北朝鮮の有事の際に)作戦統制権もないのに、(北朝鮮の)施設を爆撃できるのか。それさえも自主的に決められない国が、中国や北朝鮮と渡り合っていけるのか。これは外交上の実利を考えた上でとても重要な問題だ」とも述べた。

 そして、「国防長官・参謀総長経験者らが、北朝鮮の有事の際には韓国と中国の間で緊密な関係が生じるということを知らないはずがない。わたしのすることすべてに反対すれば、それが正義だと思っているのではないのか。こういうやつらに惑わされてはいけない」と主張した。

2006年12月22日付 朝鮮日報


芹沢茜「?いつものノムタソのアドリブおばかSHOWじゃねーの?」

メディア「それはそうなんですが、あまりにも兵役を蔑んだ言い方です」

ベホイミ「その上、『自国の軍隊を作戦統制権も十分に行使できない軍隊にしておいて』なんて言ってるけど、それは政治が担当する問題であって軍部の担当じゃないっス」

桃瀬くるみ「あとさ、『作戦統制権を取り戻せば、韓国軍はうまくやっていくだろう。電話機も車も船もうまく作れるのに、なぜ作戦統制権だけ行使できないのか』っていうバカっぷりもポイント高いわよ♪」

美浜ちよ「とりあえず、脊髄反射で自分に反対する者を罵っているだけだと思います」

ベッキー:レベッカ宮本「話を戻すと、基礎訓練終了後に、保持している資格免許や学歴、経歴、身体特性などを考慮して専属兵科に振り分けられて軍事特技の教育が行なわれる」

芹沢茜「特技?投げナイフ一本で料理からテロリスト制圧までこなす技術のことか?」

ベホイミ「そんなセガールな技術はいらないっスよ。工兵、砲手、通信兵、あるいは憲兵といった各兵種に必要な技術のことっス」

メディア「大学の専攻学科みたいなものと理解してください。東洋史学科に進めば漢文読解や資料比較検討方法を習うようなものです。この特技教育は4〜12週間受けることになります。これを後半期教育ともいいます」

ベッキー:レベッカ宮本「兵科教育を施す学校は12種類あるんだ。詳しくは下表を見ろ」

区分 特技の内容
工兵学校 野戦工兵、地雷設置・除去、爆破、野戦建設、木工、配管・ボイラー、環境施設管理、測量、電工、給水、戦闘装甲ブルドーザー、掘削機、橋梁戦車など
機械学校 K−1戦車操縦手、K−1戦車砲手、M−48戦車操縦手、M−48戦車砲手、M−47戦車砲手、K−1戦車整備、M系列戦車整備など
防空学校 軽砲運用・整備、バルカン砲運用、オリコン砲運用、防空作戦統制など
野戦輸送教育団 小型車両運転、中型ハイトップ車両運転、中型ボンネット型車両運転など
陸軍訓練所 60M迫撃砲、90M無反動砲、106M無反動砲、81M迫撃砲など
情報学校 戦闘情報、心理戦、特殊情報、偵察、監視装備運用など
総合軍需学校 編成部隊補給、一般物資貯蔵管理、油類管理、織物・天幕修理など
総合行政学校 勤務憲兵、操作憲兵、経理行政
通信学校 有線施設運用、交換施設運用、無線打字、レーダー運用など
砲兵学校 自走砲兵、操縦手、自走砲火砲装甲整備、砲兵探知レーダー運用など
航空学校 航空運航管制、小型攻撃ヘリ整備、中型攻撃機整備、ヘリコプター機体修理など
化学学校 化学、生化学武器防衛作戦統制、煙幕、化学除毒、化学探測など

『韓国の軍隊 徴兵制は社会に何をもたらしているか』尹載善 中公新書より引用


メディア「作者の義弟は、第三師団隷下の白骨部隊で訓練を受け、工兵連隊に配属されました」

桃瀬くるみ「第三師団といえば、このパチモン小説の主人公のひとり金錫元が朝鮮戦争で所属したという設定の師団じゃない」

芹沢茜「日本陸軍軍人として日中戦争で活躍した金錫源が率いた師団だな」

ベホイミ「作者が義弟の軍歴について聞いたのは2006年の夏ですから、この作品の執筆時には知らなかったっス。偶然とはいえ、義弟と日本は何か縁のようなものがあったのかなぁ、と作者は思ったそうっスよ」

メディア「義弟に聞いたところ、化生放訓練が辛かったそうです。これは基礎訓練五週目に行なうもので、ガス室に入って一分間催涙ガスに耐えるというものです。当然ガスマスクは無しですよ。これは、ヤンマガに連載していた韓国人作家のマンガ『軍バリ!』でも描かれていました」

芹沢茜「マジ?!」

メディア「はい。あとは、総重量45キロのフル装備をしての行軍というのも辛かったそうです。55分行軍して5分休憩というスケジュールなのですが、脱落者が出た場合、その身体・装備を同じ班の連中が背負っていかなければならなかったそうです」

よみ:水原暦「戦友愛は培われそうですね」

ベホイミ「それと、最初のグラウンドランニングで、はりきって全力で規定周回数を走り終えると、教官が『元気がいいなぁ!よぉし、全員もうX周いってみよう!』なんていうのもあったそうっス」

桃瀬くるみ「こっちはまるで若手芸人のノリね」

美浜ちよ「次は、台湾との外交関係ですが、韓国の台湾に対する仕打ちについては『マンガ嫌韓流2』を元ネタにしています」

よみ:水原暦「本文にもあるけど、蒋介石って『中国』に固執し続けたんですね」

ベッキー:レベッカ宮本「『中国』の主権国家である「中華民国」ではなく、「台湾民国」として残るというのが国連に残れる唯一の手じゃなかったのか?というのが作者の考えだが、蒋介石は、我こそが支那の正統国家「中国」の正統な統治者であるという概念と建前を捨てることはできなかったんだろう」

美浜ちよ「その固執の表れが、遺体は必ず中国に埋葬すべしという遺言ですね」

 現在ではこの墓地跡もきれいに整地され、林森北路第十四号、第十五号公園となっている。この公園の端、ちょうど明石総督の立派な墓地があった辺りには黒い蛇紋石でできた石碑が建立されている。短くもその石碑に刻まれた三カ国語の碑文が、内外の人々にこの地に明石元二郎総督の統治があったことを紹介する。
猴召六爐靴童邱颪竜瓦箸覆蝓台民の鎮護たらざるべからず瓩醗笋掘⊆ら台湾の土となった第七代台湾総督・明石元二郎。
 一方、戦後大陸からやってきて、死後も大陸へ帰ることを望み、その柩は地面から離して安置されている蒋介石。
 台湾には「入土為安」という言葉がある。これは、土に入りて安らかになるという意味で、人が死ねば必ず土に還るものとされてきた。ところが、蒋介石は台湾に土に還ることを拒み、たとえ屍に鞭打たれようとも大陸へ帰りたいと願った。彼は自ら安らかならざることを選んだのである。
 明石元二郎と蒋介石、どちらも台湾の統治者であった。

台湾人と日本精神リップンチェンシン 日本人よ胸をはりなさい』蔡焜燦 小学館文庫


じじぃ「台湾への仕打ちに対する論評部分の元ネタは3巻「開戦へ」、ロシアとの交渉で傲慢な回答を受け取り開戦へと進む場面じゃの。以前も元ネタにしておるが使用箇所の重複はしてないぞい。以下原文じゃ」

 ついでながら、ヨーロッパにおける諸国間の外交史をみても、一強国が他の国に対する例として、ここまでむごい嗜虐的外交というものは例がない。白人国同士では通用しない外交政略が、相手が異教の、しかも劣等人種とみられている黄色人種ともなると、平気でとられるというところに、日本人のつらさがあるであろう。

(中略)

 一九四五年八月八日、ソ連は日本との不可侵条約をふみにじって満州へ大軍を殺到させた。条約履行という点においてソ連はロシア的体質とでもいいたくなるほどに平然とやぶる。しかしかといってここまで容赦会釈ないやぶり方というものは、やはり相手がアジア人の国であるということによって倫理的良心をわすかしか感じずにすむというところがあるのではないか。
 いずれにせよ、日露戦争開戦前におけるロシアの態度は外交というにはあまりにもむごすぎるものであり、これについてはロシアの蔵相ウィッテもその回想録でみとめている。

よみ:水原暦「世実がデモに参加した「従軍慰安婦」問題って、日本人の『告発』が発端だったんですか」

ベッキー:レベッカ宮本「ああ、ぶっちゃけた話、吉田清治という詐話師の著書「私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行」(三一書房 1983)が発端だ。この問題については次回でやる」

桃瀬くるみ「本文でちらっと出てきた盧武鉉についてはやらないの?」

美浜ちよ「こちらも盧武鉉が大統領に当選したときの話でやるつもりだとのことです」

ベッキー:レベッカ宮本「じゃ、今回はちょっと少なめな気もするがここまで」

芹沢茜「最近、解説パートに詰め込みすぎだからそう思うだけじゃねーのか?」


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