あずまんが嫌論文 3
「第三回目となる今回は、日本のものを取り上げます」 「ワカタケル大王の秘密」石渡信一郎 三一書房
「これってたちの悪いジョーク?」
「日本のもの?ってことは、まともなものなんだな?」
「いや。嫌論文というより電波・トンデモに近い類だ」
「え?そういうのって『竹内文書』とか『東日流三郡志』とかいった偽書だけの話じゃないの?」
「残念ながら、と言っていいのかどうか分かりませんが、この分野については韓国人同様の電波を飛ばしている日本人が多数存在するのですよ」
「じゃ、そんな電波の中から、韓国人にも利用されたものを紹介していくぞ。今回はこれだ」
「こんなやつに言語学がどうとか言われたくないよな」
「ほんとにこんなものを利用した韓国人がいるんですか?」
「やつらをなめてはいかん。どんなものを元ネタにしてでもホルホルできるポジティブさだけが彼らの長所だ」
「それは長所と言っていいのか……」
「この石渡の七支刀銘文の解釈については、エンコリでjpn1_rok0(通称ジョン)氏が叩きのめしているんですが…」
バカは頑張ってもバカである理由( ´H`)y-~~
「実は、jpn氏はこの後に、もっと分かりやすくした年表を使ったスレを立てたはずなんだが、見当たらないんだ」
「どういうことですか?」
「作者の調査能力不足?それともスレ自体が削除されたの?」
「どちらも可能性があるので、断定は避けますね」
「いずれにしても、この石渡とかいう高校教師上がりの素人が詐術めいた論理・詭弁を用いているのは分かるだろう」
「おいおい、作者だって史料の取扱いについて一応知識を持っているし、それなりの訓練も受けているけど、専門家ってわけじゃないだろ?そういう言い方はないんじゃないか?」
「最初のほうで言ったように、古代史に関しては、歴史マニアの素人が、自分のロマンや思い込みで一次史料を読み違えたり、我田引水して使用することが多いんだ。漢文を守備範囲にしていた作者が少し見ただけでも『有り得ない』解釈・飛躍があるんだよ」
「そうなんですよ。古文書の読み方や一次史料の批判検討といった資料の基本的な扱い方を一生懸命学んでから研究に取りくむ方がいないとはいいませんが、ほとんどの場合、もともと歴史マニアだった方が、社会的に成功して地位を築き、余暇を持つようになってから参入することが多いんです」
「自分の故郷の歴史を研究して、郷土の『英雄』を持ち上げる、いわゆる『郷土史家』みたいなもんですか?」
「ああ、そういうのも含まれるだろうな。大きい書店の歴史関係の棚に並んでいる雑多な『歴史研究家』とか称する輩の多くもそうだ」
「んー、だけどさ、古代史にロマンを感じるのは別に悪いことじゃないだろ?」
「たしかにロマンを感じるのは自由だ。だが、その源泉が史料や考古学的証拠に基づかない『妄想』であっては困る。個人の妄想の範囲で済むならどうこう言わんが、他者をも巻き込んでミスリードしてしまうだろ」
「う゛。ファンタジーを歴史と混同してしまう韓国人と同じレベルには落ちたくないわねぇ」
「でもさ、韓国人だってそれなりの検証はしたうえで、学説を採用してホルホルするんじゃないのか?」
「…最近作者も気づいたのだが、いわゆる『朝鮮論法』のひとつとして、パッチワーク・フレームアップというのがあるんだ」
参考レス
朝鮮論法の特徴をあらわす文章として、
「専門的な書籍をしては正統的な儒教の立場で書かれた安鼎福(アンジョンボク)の「東史綱目」がある。彼は檀君(ダングン)朝鮮から高麗末期に及ぶ歴史を緻密に考証に基づき通史にした」
というものがあります。(下記URLより引用)
http://jpn.korean.net/wcms/list.jsp?pageID=03025238&bID=22312&byid=8
ところが、この安鼎福って人は「東史綱目」において、朝鮮は由緒正しき仁賢の国だとして、檀君なんて神話っぽい怪しいものは否定し、民族の正統から外して、根源を箕子に置くよう書いているんです。
参考スレ
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=thistory&nid=1832564&st= writer_id&sw=yonaki
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=thistory&page=3&nid=1833 339&st=writer_id&sw=xia
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=thistory&page=3&nid=1833 061&st=writer_id&sw=xia
これを踏まえて上記の文章を読むと、安が歴史を緻密に考証して通史にしたこと自体は事実ですが、その考証がいかなるものであるかには全く触れず、ごまかして書いていることがわかります。
こういう詐術めいたやり方を意識的にか無意識的にか行なうわけですよ。
「まともな学問的考証は無し、もしくはスルーってことか…」
「そうなんですよ。韓国人の場合『誰が何を言ったか』、あるいは『言ったようにみえる』かだけが重要視されて、その主張の内容にまで踏み込んでの検証考察は軽視されているんじゃないか、と作者は思うようになっているわけです」
「なるほど。新聞で言えば、見出しだけを見て記事全文を読まずに理解した気になるのと同じだな」
「そうだ。日本人だってそういううっかり者は存在するが、かの国の場合、それが質量ともにハンパじゃないというのが問題なんだろうなぁ…」