あずまんが嫌論文 4
「今回も日本のものを取り上げます」 「ヤマト国家は渡来王朝」澤田洋太郎 新泉社
「ある意味、タイトルで出オチかと思うんですが」
「何これ?だいたい『アイゴー』を『哀号』って表記するのは、ただの当て字じゃないの?」
「ダジャレかよ……」
「じゃ、前説無しで行くぞ」
「とりあえず、見ていこうぜ」
「そのとおりだ。『哀号』の朝鮮音は『애호(エホ)』だからな」
「それに、朝鮮語の『アイゴー』は必ずしも悲しい時にだけ発する言葉じゃないです。『しまった!』『あらまぁ!』『オーマイゴッド!』のように、意外といろんな場面で使われる言葉なんですよ」
「…この澤田って人の論調って、『…ではなかろうか?』『…だと思う』といった憶測推測がほとんどじゃないか?」
「突っ込む気さえ失せるわね」
「こんなものを平気で書ける澤田って何者なんですか?」
「え、えーっと、高校教師上がりですね。都立高校の教頭まで勤め上げています」
「アマチュア史家ってやつだ。出版社の新泉社というのもなかなかの会社だぞ。この類いの本ばかり手がけている」
新泉社 歴史関連[古代史探訪-NO.1]
「こんな本で印税が入るなんて、世の中って甘いもんよね」
「ほんと、いい商売だぜ」
「専門の歴史学者が、こういうのをシロウトの電波・トンデモだとして無視するだろ。それで調子に乗って余計にはびこるわけだ」
「ぜひ正対してサクサク狩っていってほしい、というのが作者の要望なんですよ」
「狩るって……ちよちゃんにそんな物騒な台詞を割りふるなよな…」