戦後朝鮮人の送還について 5



神楽「前回はなんだか含みのある終わり方をしたよな」

綿貫響「朝鮮でのコレラ流行による送還中止がやっと解除された。しかし…ってとこからね」

上原都「ええ。じつは翌月には朝鮮で鉄道ストが起こって、また送還は中止されるの」

SCAPIN1230 Repatriation to Korea 朝鮮への送還

2.Due to a railroad strike in Korean, repatriation of Koreans including return of illegal immigrants to Korean is suspended this date until further notice.

2.朝鮮の鉄道ストライキによって、不法入国者の送還を含む全ての朝鮮人の送還は通知があるまで中止する

白鳥鈴音「朝鮮名物ストライキだぁ♪」

綿貫響「た、たしかに今の韓国でも現代自動車の労組が13年連続ストとかやってるけどさ」

白鳥鈴音「朝鮮の労働者事情について、獄長がおもしろいものを出してるよ」

■獄長メモ −朝日酷スwww−
■退職及缺勤の主なる原因

上原都「…またえらいものを出すわね…次は日本政府が朝鮮人の計画送還について出した広告を紹介するわね」

1946年5月15・20・25日朝日(東京) 5月14・23日読売報知 広告
朝鮮へ帰る希望者へお知らせ
朝鮮へ帰る希望者の中には九月三十日迄に帰ればよいと云ふ誤つた考へを持つて居られる方があるやうですが帰鮮希望者は三月十八日行つた登録の結果約五十一万人に達して居り斯の様な多数の人を限られた期間に輸送するには鉄道も船も毎日の輸送力に限りがあるので一定の計画をたてて輸送しなければなりません。随つて日本政府は人員と輸送力を考へ合せて一定の計画に依り帰鮮希望者の各個人々々に出発の日を指定して其の輸送を行なふことに致して居りますから色々御都合はあると思ひますが都、道、府、県庁から指定された日に必ず出発して下さい。この指定された日に出発しなかつた者は帰国の特権を失つて帰国することが出来なくなります。
                  引揚援護院


1946年5月31日朝日(大阪最終版) 6月1日読売(東京版) 広告
朝鮮へ帰へる希望者へお知らせ
朝鮮へ帰る希望者の中には九月三十日迄に自分の好意な日に帰へればよいと思つてゐられる方が多い様ですが連合軍最高司令部より毎日四千名を帰還させる様に指令されてゐます然るに各人の希望の日に帰還する様にしますと人情の常として又家財の整理等の関係からどうしても許された期間の最後の日まで居残りたいと云ふことになり絶対に毎日四千名を帰還させることは出来ません毎日四千名を帰還させるためにはどうしても此の四千名を都道府県に、都道府県は市町村に割当てゝ市区町村が個々人に対し帰還日を指定することになりますから指定日には必ず帰還される様に希望致します
尚「朝鮮人連盟で連合軍最高司令部に対し持帰金の増額や持帰り荷物の増量等を目下陳情中で近く実施されるから晩く帰へる程得だ」との宣伝が行なはれてゐる地方がありますが帰国条件は連合軍最高司令部の方針に基くものでありまして変更されることは絶対にありませんから誤解のない様にして下さい
                  引揚援護院


上原都「この広告のもとになっているのが、枚方市教育委員会社会教育課が出した『在日朝鮮人の歴史 枚方での掘り起こしのために』に収録されている『津田町「朝鮮人・琉球人」帰還関係文書』の中にあるわ」

二三、一九四六年六月三日付、援第一一六九号、大阪府教育民生部長から各市区町村長あて「朝鮮人帰国輸送再開に関する件」

援第一一六九号
昭和二十一年六月三日
                 大阪府教育民生部長
各市区町村長殿
       朝鮮人帰国輸送再開に関する件
五月三十日付援第一一六二号を以って帰国輸送は一時中止する様通牒致し置いた処六月六日から再開されることになったから従前通りの地区別割当に依って帰還日の告知其他帰還証明書の発行等送還の取扱ひをせられたい
尚送還取扱については左記事項御留意の上送出の万全を期せられたい
         記
一、連合軍最高司令部の指令の重点は毎日指定地区から割当人員を送出する点にあって終期の九月三十日は一応の目標に過ぎないこと
  従って同日迄に勝手に帰ればよいといふことではない
  尚帰還状況に依っては九月三十日以前に帰還に関する便宜供与方を中止せられ帰還が出来ない事になるかもわからないこと
二、指定期日以前に帰還を希望する者は府と連絡の上成るべく本人の希望の日に帰還出来る様手続をすること現在の輸送事情から見て成るべく早く帰国する様勧奨し此の取扱の趣旨を周知させること
三、朝鮮人連盟がマ司令部に帰国条件の撤廃方を陳情し近く実現の見込があるから遅く帰るが得だとの宣伝が行はれてゐる向があるが、かゝる事実は無根で持帰金及び持帰り荷物の限度はマ司令部の方針に基くもので絶対にかゝる事は実現の見込がない
四、朝鮮人連盟支部等に於て本計画輸送を強制送還なりとし強制送還絶対反対を宣伝してゐる向があるが克く計画輸送の趣旨を徹底せしめること 尚反対的態度を持続するものに対しては断乎たる処置を講ずるから其の事実を本府に連絡すること
五、市区町村別の送出当日其他処要事項は本人に確実に通告する外朝鮮人集団地区に対してビラの貼布等を行って速報し充分の準備期間を与へるやう努めること



神楽「『帰国条件は連合軍最高司令部の方針に基くものでありまして変更されることは絶対にありませんから誤解のない様にして下さい』ってあるけど、持ち帰り荷物の増量はされたんだろ。この広告はウソじゃねーか?」

上原都「たしかに結果的に見れば7月13日付SCAPIN927/5で持ち帰り荷物の増量はされたけど、それが朝連の活動と関係あるものかどうかは立証できないのよ。主眼となる問題点は「朝鮮人連盟」つまり『在日本朝鮮人連盟』が計画送還の遅延を図るかのような言動をしているとされていることよ」

綿貫響「?本来なら朝連は祖国への迅速な送還を希望し協力する立場じゃないの?」

上原都「そのはずなんだけどね……ま、どの程度の介入や活動をしたかは知らないけど、結局GHQは朝連の行動を計画送還の妨害ととらえたみたいで、6月14日付SCAPIN927/1を出して朝連が計画送還に関与することを禁じたの」

SCAPIN927/1 Repatriation 送還

12 1/4.Under this plan it is the responsibility of this Imperial Japanese Government to plan and implement the repatriation of Korean nationals from Japan to Korea. This responsibility will not be delegated wholly or in part to any of the various Korean associations or societies.

12 1/4.本計画に従っての日本から朝鮮への朝鮮人送還の計画及び実行は日本政府の責任である。この責任は全くまたはある程度、あらゆる朝鮮人の団体及び集団に委任されない

白鳥鈴音「ふーん。戦後解放された朝鮮人って一刻も早く祖国に帰国したがったはずなのに、なんだか妙な話だねー」

上原都「GHQも最初は朝鮮人を『解放民族』として遇してたんだけどね、彼ら特に朝連の行動が占領政策のジャマになるというふうに認識を変えていったみたいね」

神楽「だいたいGHQの占領目的って何なんだ?」

上原都「お題目としては日本の民主化。ま、さしあたっては日本の混乱の鎮静と復興への道筋をつけることが政策の肝要でしょ。前にも触れたように朝鮮人・中国人・台湾人のうち戦勝者ヅラをして日本の法律に従おうとしない連中は治安面で悪影響を及ぼすから占領政策の妨害となるでしょ。こんなSCAPINがあるわ」

SCAPIN1239 Railroad Travel Passes Issued by Korean Associations Prohibited 朝鮮人連盟が発行する鉄道旅行乗車券の禁止

1.It is directed that the Ministry of Transportation be instructed to refuse to honor passes issued by any Korean Association covering free transportation on Japanese Railroads.

2.It is further directed that all railroad passes issued by Korean associations be lifted from individual presenting same and destroyed.

1.あらゆる朝鮮人団体の発行する国鉄無料乗車券を拒否するよう運輸省に指令することを指示する

2.さらに、朝鮮人団体が発行する全ての乗車券を提示者から取り上げ破棄することを指示すること

神楽「朝連が勝手に造った無料乗車券?」

上原都「ええ。朝鮮人は送還計画に従う場合、運賃は無料でしょ。それにつけこんで『ウリは計画送還に従って帰国するところだから無料ニダ』と嘘をついてタダ乗りをする連中がいたのよ。それが昂じて私製の無料券を発行して無賃乗車を通すというところまで行ったの」

白鳥鈴音「薩摩守で行こう♪」

綿貫響「鉄っちゃん用語はやめなさいよ…日本の官憲は取り締まれなかったの?」

上原都「朝鮮人は『解放民族』で敗戦国民ではないという建前だったし、かといって戦勝国民でもなかったから、日本の司法権が及ぶかどうか曖昧だったのよ。それで警察も取り締まりに躊躇していたの。で、46年2月19日付SCAPIN756と757で朝鮮人たちは日本の司法権の下にあり、日本官憲に取り締まる権限があると規定されたの」

SCAPIN756 Exercise of Crimnal Jurisdiction 刑事裁判権の行使

1.Japanese courts will henceforth exercise no criminal jurisdiction over United Nations Nationals or organizations, including corporations. All pending criminal proceedings in which Nationals of the United Nations are defendants will be reported to this headquarters; further action by Japanese Courts with respect to such defendants will be stayed; and the defendants will be held subject to directions from authorized representatives of the Supreme Commander for the Allied Powers.

1.日本裁判所はこれから連合国の国民あるいは企業を含む組織に対して刑事裁判権を行使してはならない。連合国民が被告である全ての審理中の刑事訴訟を司令部に報告し、そのような被告に関して日本裁判所による以後の措置は保留され、そして被告の身柄は、連合軍最高司令官によって認可された代理の指示によって措置されること

SCAPIN757 Review of Sentences Imposed Upon Koreans and Certain Other Nationals 朝鮮人及びその他の国民に言い渡された判決の再審理

2.Sentences imposed by Japanese Criminal Courts on Koreans and other nationals of countries formerly under the domination of Japan, who furnish adequate proof of their intention to return to their homelands, shall be subject to review and further action by the Supreme Commander for the Allied Powers or his designated representatives. However, such a review will be made and action taken only after remedies in Japanese Courts reasonably available to the defendant have been exhausted and at the request of the person upon whom sentence has been imposed.

3.The action by the Supreme Commander for the Allied Powers or his designated representatives may include staying of execution disapproval, suspension, mitigation, remission in whole or in part, or commutation, but will in no way operate to increase the sentence imposed.

2.本国に帰還する意志についての適当な証明を提出する朝鮮人と以前日本の支配下にあったその他の国民に対して日本裁判所で科せられた刑は、連合軍最高司令官かその指名する代理によって再審理と更なる措置を必要とする。しかし、そのような再審理と更なる措置は、日本裁判所が被告に与えた疲弊にできるかぎりの救済をした後と、刑を科せられた人の要望があったときにとられるだけである

3.連合軍最高司令官かその指名する代理によって取られる措置は、全体あるいは部分的な執行の保留、中止、軽減、免除、もしくは減刑を含むかもしれないが、科せられた刑を増加することはない

綿貫響「え?どこに書いてあるの?756は、日本政府は連合国の国民に対して刑事裁判権を行使しないってことだし、757は、朝鮮に帰還する朝鮮人と以前日本の支配下にあったその他の国民に対して科せられた刑は、GHQによって再審理と軽減などの処置をとられるってあるだけよ?」

上原都「ええ。直接、朝鮮人については触れてないわ。だけど朝鮮人は連合国民じゃないから756の規定も当てはまらないし、757は連合軍は朝鮮人とその他の国民へ科せられた刑について再審理と軽減などの処置をとるだけであって、刑事裁判権を行使するとは書いてないでしょ」

神楽「そんなもんかなぁ?」

上原都「少なくともGHQはSCAPIN756・757によって日本政府には朝鮮人に対する刑事裁判権があると規定したという解釈をとったわ。だからこそ以下のような指示を出したの」

SCAPIN912A Control of Formosans and Koreans and Using Railways 鉄道を利用する台湾人及び朝鮮人の取締

2.The Japanese Government has full authority to control Formosans and Koreans using Japanese railways. This authority is subject only to those restrictions defined in the Supreme Commander's Memoranda SCAPIN 756 and SCAPIN 757 file AG 015 (19 Feb 46)LS, subject: "Exercise of Criminal Jurisdiction" and "Review of Sentences Imposed upon Koreans and Certain Other Nationals", respectively.

3.It is the responsibility of the Japanese Government to exercise its full authority and to insure that peace and order are maintained on the Japanese railways.

2.日本政府には日本の鉄道を利用する台湾人及び朝鮮人を取締る完全な権限を有する。この権限は、SCAPIN756「刑事裁判権の行使」SCAPIN757「朝鮮人及びその他の国民に言い渡された判決の再審理」それぞれで定義された規制を条件とする

3.完全な権限の行使及び日本の鉄道における安寧と秩序を確実に維持するのは日本政府の責任である

SCAPIN1111A Misconducts committed by Koreans 朝鮮人による不法行為

2.The Japanese Government has full authority to control Koreans the commit acts of violence as enumerated. This authority as stated in Memorandum for Imperial Japanese Government dated 4 April 1946, file AG O91 (4 Apr 46)GS, (SCAPIN-912-A), Subject: "Control of Formosans and Koreans Using Railways," applies to crimes of violence as related in your C.L.0. No. 1186 (1.3).

2.日本政府は、列挙された朝鮮人の暴力行為の取締について完全な権限を有する。この権限は1946年4月4日付SCAPIN912A「鉄道を利用する台湾人及び朝鮮人の取締」に指定され、CLO1186に関係のある暴力犯罪に適用される

綿貫響「?SCAPIN-Aって何なの?」

上原都「SCAPINとは別物で両者の通し番号に関連性はないのよ。詳しくはこっちを見てね…あとこんな新聞記事もあるわ」

1946年3月9日朝日(大阪最終版)
進駐軍 徹底的に援助 朝鮮人、台湾人の日本裁判
【第二十五師団八日発表】日本の法律を犯す朝鮮人および台湾人に対して連合国最高司令部より裁判権を付与された日本警察および司法裁判所は進駐軍の徹底的な支援を受ける旨第二十五師団司令官チャールズ・L・ムリンズ少将は本発表にあたつてとくに強調し
 『日本の警察と裁判所は任務を遂行せねばならぬが、これに対し当師団の全責任地域にわたり、進駐軍はその任務達成に援助を与へる用意がある』
と語つた、同師団の責任地域は淡路島と大阪、愛知、岐阜、静岡、和歌山、京都、奈良、滋賀、富山、福井、石川、三重の二府十県である、進駐軍に対しては罪とならないが、日本の法律を犯す朝鮮人および台湾人を裁く権利を付与した連合国最高司令部の指令を説明してムリンズ少将は
 朝鮮人および台湾人に関する未決の事件は総て直ちに処置されるやう日本官憲に引渡す
旨指摘したが、なほ同少将の話によれば近き将来再審手続に関する指令の発表があり、これは審判される事件と同様に審判済みの事件にも及ぶものである


上原都「で、話を本題に戻して、大阪府の朝鮮人計画送還についてみてみるわ」

1946年5月7日朝日(大阪最終版)
府下在住朝鮮人の送還計画決る
大阪府下在住朝鮮人の送還計画が決定した、四月二十八日現在における在住者は八万六千八百人で目下のところ全部帰還を希望してゐる
 十六日北区、十七日都島区、十八日福島区、十九日此花、東、西帰港区(ママ)、二十日大正区、二十一日天王寺、浪速、南区、二十二日大淀区、二十三、二十四日西淀川区、二十五日から二十九日まで東淀川区、三十日から六月七日まで東成区、同八日から二十五日まで生野区、二十六日旭区、二十七日から二十九日まで城東区、三十日阿倍野区、同卅日、七月一日住吉区、同二日東住吉区、三日から六日まで
なほ西成区、還者
(ママ)は米穀通帳と物資購入券をもつて区役所、役場へ行けば帰還証明書をくれる

*「西帰港区」は最後の「帰還者」の「帰」が混入したものであり、それぞれ本来は「西、港区」「帰還者は米穀通帳…」であり、また西成区の帰還予定は七月三日から六日までであると考える


綿貫響「大阪市内だけじゃない?府下の市町村の分は?」

上原都「さっきも出した『津田町「朝鮮人・琉球人」帰還関係文書」にこんな文書と表があったわ」

朝鮮人送還計画表
出発期日 地区
自 八月二十日
至 〃 二十二日
布施市
  〃 二十三日 堺市
  〃 二十四日 岸和田市 貝塚市 泉大津市
  〃 二十五日 豊中市 池田市
  〃 二十六日 高槻市
  〃 二十七日 吹田市
  〃 二十八日 三島郡 豊能郡
  〃 二十九日 泉南郡 泉北郡
  〃 三十日 南河内郡
自 〃 三十一日
至 九月  二日
中河内郡
自 〃   三日
至 〃   四日
北河内郡



上原都「文書のテキスト起こしはしないけど、前回触れた7月の洪水のせいで府下在住者の送還は中止になっていたみたいね。そこにもあるように第1次輸送に参加できなかった人に対して第2次輸送もおこなわれるの」

1946年9月1日朝日(大阪最終版) 広告
府下在住の朝鮮人帰国希望者へお知らせ
帰国輸送は九月四日で一応終了します
病気出産等止むを得ない理由で第一回の指定日に出発出来ない旨を市区町村役場へ届出てあつた人達の為に左様に依つて帰国の取扱をします
右の人達の中で今回の割当日にも帰国出来ない人は其の理由を重ねて市区町村役場へ届出て置いて下さい 指定日よりも早く帰りたい方は市区町村役場を通じて援護課へ申込んで下されば列車に余裕のある限り取扱ひをいたします

朝鮮人第二次送出計画表
 九月五日北区、都島区、福島区、此花区△六日、東区、西区、港区、大正区、天王寺区、南区、浪速区、大淀区△七日、東淀川区、西淀川区△八日、東成区△九日、十日、生野区△十一日、旭区、城東区、阿倍野区△十二日、住吉区、東住吉区、西成区△十三日、堺市、岸和田市、豊中市、貝塚市△十四日、布施市△十五日、池田市、高槻市△十六日、吹田市、泉大津市、三島郡、豊能郡△十七日、泉南郡、泉北郡、南河内郡△十八日、十九日、中河内郡△二十日、北河内郡
                    大阪府


綿貫響「新聞広告まで出して周知するのね」

上原都「他にはこんな広告も出しているわね」

1946年6月6日毎日(大阪) 8日朝日(大阪最終版) 広告
朝鮮人帰国希望者へお知らせ
帰鮮輸送は一時中止されてゐましたが六月三日から再開されまして、帰還希望者に対しては市区町村別に出発の日を指定されてゐますが指定日より早く帰る事は差支へありませんから各市区町村役場へ申込んで下さい、毎日大阪駅から臨時列車が出発してゐますから楽に帰れます乗車船券及出発後の食糧は無料です、
夫々事情はあることゝ思ひますが指定された日に必ず出発してください指定日に出発しないと帰国する事が出来なくなりますから御注意願ひます詳しい事は市区町村又は大阪府援護課でお尋ね下さい
                     大阪府


神楽「『指定日より早く帰る事は差支へありません』かぁ」

白鳥鈴音「送還を希望すると登録したんだから帰る気はじゅうぶんある人たちだよね」

上原都「そのはずよね。帰還を促すためにこういう予算も組んでいたのよ」

府参事会議案原議綴 昭和21年8、9、10月 自48号至58号

予算追加要求の件 〔援護事業費(生活困難者援助費・台湾省留日学生々活援護費)・帰鮮者保護費・帰還斡旋費・引揚者援護費〕

知事(印)
  内務部長(印) 議事課長(印)(印) 主担(印)
   伺
  予算追加要求査定
 本案査定御決裁後は次回参事会に提案附議して差支へありませんか
  件名 興生事業費 要求課 援護課 主担者 松下事ム官
     援 護 費         電話庁内 公衆 警察  番

  一金1,276,625 円  援護課要求額
  一金1,201,351 円  議事課査定額

  右充当財源 国庫支出金 1,039,300円  44,700円 厚生省社会局
                         994,600円 引揚援護院
        繰越金     162,051円

摘要 主務課要求額 議事課査定額 査定意見
興生事業費 282,025 206,751 国庫支出金44,700円
府負担162,051円
援護費(引揚援ゴ費)
(応急家財特別配給費)
99,460 99,460 全般国庫負担
(引揚援ゴ院所管)
註 別紙査定調書参照のこと

査定調書  
区分 要求額 査定額 査定内容
生活困窮者扶助費 47,000 47,000 鮮人無籍約5千人の内要扶助者500人に対し1人百円扶助既定予算差引計上1回打切り
台湾省留日学生生活援護費 31,500 31,500 全額国庫補助31,500円
帰鮮者保ゴ費 83,525 83,525 66,980人に対し6食分乾パン(1袋88銭)計上現在支給中
帰還斡旋費 会議費 40,000 23,696 国庫補助13,200円 支出22,532円 今後1,164円
公告費 55,360 8,680 支出済■の分計上
印刷費 20,000 0 国費予算より支出
交通費 15,000 12,350 支出済8,750円 8月9月迄
今後3,600円 1■回50円一日9■回450円8日分
旅費 8,440 0  
通信費 1,200 0  
引揚者援ゴ費 99,460 99,460 全般国庫補助第一次のみ査定同意
応急家財特別配給費      
1,276,623 1,201,351
1,177,655
 

区分 支出済額 支出見込額 備考
一、会議費      
地区別輸送協議会 1,957円00   終了
送還促進協議会 8,283.00 1,164.00
3,320.00
13回終了■7回未了
朝鮮人援護協議懇親会 12,292.00
22,532.00
14,108.00   大阪市終了
九市郡部未了
22,532.00 17,428.00
1,164
 
二、広告費      
朝日、毎日、大阪国際 8,680.00 26,680.00 広告文の長短字の大小に依り料金に■■相違あり基準を■ひるは困難である
右3回分   9回分
    中上開始 朝毎11回未■■琉球12回■■■■
三、交通費      
4、5、6、7月分支出
8、9、10、11月分見込
8,750.00 6,250.00
3,600
4、5、6、7月分19回分9月迄
       
×四、印刷費      
×帰還証明書 7,200.00 3, 6 800.00 百枚2■   6万枚完了
印刷代4.00
紙代2.00   3万枚未了
×帰還告知書 6,000.00 3,000.00 〃   
〃 5.00  左仝
〃 5.―





上原都「これは8月19日付で、教育民生部長から内務部長あてに提出された予算追加要求の査定であるようね。その提出案の理由書をあげておくわね」

   昭和二十一年八月十九日
           教育民生部長
 内務部長殿

    予算追加要求の件
昭和二十一年度予算中別紙の通り追加致したく思ひますのでよろしくお取計い願ひます

理由書
一、援護事業費(78,500円)
 (イ)生活困難者扶助費(47,000円)
   闇市場の発生に伴って闇商人及び之等の使用人として又非日本人の居住の僅少な地方から報復的迫害を受けると言ふデマ等におそれをなして他府県から府下の市郡の集団地区に流入した非日本人は約5000名の見込であって、之等の者は市内転入禁止のために概ね無籍者である
   然るに過般の闇市場の閉止によって大部分は生活の根拠を失ひ生活困難に陥ったので早急に帰国させる様に努めてゐるが帰国の仕度金さえない者が大部分であって之等の者に対し帰国する準備又は恒久的な生活救済を受ける迄生活援護をなし悪の発生を未然に防止し併せて、親善の一助としたい。無籍者約5000人の内真の生活困窮者は500人として1人100円宛支給せんとす。此の金50,000円、既定予算3,000円計上に付差引47,000円
 (ロ)台湾省留日学生生活援護費(31,500円)
   台湾省留日学生70人に対し1ヶ月1人150円の割合で3ヵ月分を支給す(金額国庫補助)

二、帰鮮者保護費(83,525円)
   帰還当日より乗船地収容所に収容完了迄約2日分の携帯食糧として乾パン6食分を支給するものとす
   帰還希望者並びに帰還見込人員は左の通にして
  帰還希望者 帰還見込人員
朝鮮人 95,149人 35,000人
中国人 283人 280人
琉球人 29,808人 29,500人
台湾省民 2,409人 2,200人
127,649人 66,980人
   帰還者66,980人に対し乾パン6食分(1人当り2円74銭)(2円64銭)(10銭運搬代)を支給せば此の金183,525円必要とするも既定予算100,000円計上に付此の差額83,525円を追加要求せんとす

※欄外に「1袋88銭2食分」とあり


三、帰還斡旋費送還促進費(12,000円)
   朝鮮人、中華民国人、台湾省民等の送還は聯合軍人の指令に依り最も短期間に終了せしめる必要があり且送還対象者は時局柄その取扱ひ最も困難を極めるものであって直接これ等送還の衡にあたる市区町村長、町会又は郡議会長とは常に事務打合会を開いて緊密な連絡を計り彼等の指導的地位に在る有力者とは帰還促進懇親会等によって意思の疎通を計り一般帰還者に対しては新聞広告、ラジオ放送或は宣伝ビラを配布する等送還計画の周知徹底を期し計画輸送の迅速円滑なる遂行に資せんとす
      経費内訳
    (イ)会議費   23,696円40,000円
      地区別割当輸送協議会(大阪市 地方事務所 8回)
       関係出席者 206人 1人当り9円50 此の金1,957円
      送還促進協議会(本省 京都 兵庫 本府 進駐軍 大阪市各区 聯合軍司令部 地方事務所 町■長 大阪市を除く市部 20回)
          1回582円15銭 20回 此の金11,643円
      朝鮮人援護協議懇親会        26,400
                        ■■■■■
    (ロ)広告費   8,680円35,360円
     (1)非日本人計画輸送開始に関する広告 朝日、毎日、大阪 3,072円
     (2)南西諸島向帰還希望者申込受付広告 朝日、毎日    2,536円
     (3)朝鮮人送還促進に関する広告    朝日、毎日、大阪 3,072円
     (4)毎月1回宛として計9回 1回3,072円     26,280円
非日本人送還に関する諸公示事項は帰還者へ迅速に徹底する必要上ラジオ放送と新聞広告は最も有効である
    ×(ハ)印刷費  帰還証明書 6万枚 20,000円
            帰還告知書 6万枚
    (ニ)交通費  進駐軍連絡折衝用自動車代 15,000円
    ×(ホ)旅費  ・華人、台湾省民、朝鮮人送還者に
           附添乗船地引揚援護局との打合の為 月2回  3,200円
          ・大阪駅乗車割当斡旋及RTOとの折衝の為   4,240円
           毎夜2人(発車時間の関係上)253回分
          ・其の他普通出張  1,000円
      (ヘ)通信費                       8,400円
    ×(ヘ)通信費                       1,200円

四、引揚者援護費   994,600円
(省略)

朝鮮人の援護に関する件 付:朝鮮人援護協議懇談会関係計画書

厚生省発社第77号
 昭和21年6月12日
       厚生省社会局長
  大阪府知事殿
    朝鮮人の援護に関する件
 内地在住外地同胞の皇民化と保護指導を目的として実施して来た従来の興生事業は終戦後の新事態に対処し全面的に廃止する事になったのであるが本年度においても在住朝鮮,人の援護に万全を期すると共に特に帰鮮希望朝鮮人の円滑なる帰還を図りできうる限り将来の日鮮間の友誼に資するため朝鮮人援護協議懇談会を開催することとし之に要する経費として金壱万参千弐百円を国庫より補助する見込であるから左記事項に留意して地方の実情に応じ之が実施に遺憾のないやうに措置されたい
   記
一、懇談会の実施に当っては在住朝鮮人中の有力者及朝鮮人援護関係者等を集めて在住朝鮮人の援護と曩に登録した帰鮮希望者の帰還促進に努め今後における施策の参考になる事項についてはその都度報告すること、

二、本補助金を都道府県予算に計上する際は都道府県費を附加計上して朝鮮人の援護に遺憾ないやう努められたい、

三、国庫補助申請書には左の書類を添付すること
  一、朝鮮人援護協議懇談会開催計画書(様式別残)
  二、昭和21年度朝鮮人援護に関する都道府県予算書抄本

(援護協議懇談会開催計画書は省略)






白鳥鈴音「『送還促進協議会』とか『朝鮮人援護協議懇親会』ってどれほど役立ったのかなぁ」

綿貫響「上で見た広告の費用は支出済金額8,680円の中に入っているのね」

神楽「『帰還当日より乗船地収容所に収容完了迄約2日分の携帯食糧として乾パン6食分を支給するものとす』ってあるけど『1袋88銭2食分』だから1食は1袋の半分ってことになるよな。これってのはひどくないのか?」

上原都「当時の日本人は配給制が実施されてたけど、1日あたり白米2合1勺だったし、遅配や欠配もしばしばあったのよ。それを考慮すれば悪くはないんじゃないかしら」

白鳥鈴音「2合1勺って現役の体育会系学生にとっては1食分にもならないよねー。で、計画送還は1946年の年内に済んだのかな?」

上原都「一応はね。GHQが計画送還を12月15日に終了することを通知したSCAPINがあるわ」

SCAPIN1407 Termination of Mass Repatriation from Japan 日本からの集団送還の終了

3.Mass repatriation from Japan will terminate upon completion of current repatriation programs for former residents of:
  a.Korea, South of 38゜ North Latitude; estimated completion date, 15 December 1946; reference paragraph 1c above.

3.日本からの集団送還は、次の各地域の元住民の現在の送還計画の完了を以て終了する
  a.北緯38度以南の朝鮮;完了予定日、1946年12月15日。参照は上記パラグラフ1c

SCAPIN1414 Termination of Mass Repatriation from Japan 日本からの集団送還の終了

2.Mass repatriation of Koreans from Japan to areas in Korea, south of 38゜north latitude under provisions of reference 1 c above was completed 15 December 1946.

4.The Imperial Japanese Government will:
  a.(1)Accept and process at Hakata Reception Center until 27 December 1946 repatriates destined Korea, south of 38゜north latitude, who are eligible for repatriation under the provisions of reference 1 c above but who arrive at Hakata Reception Center after 15 December 1946.
    (2)Outload in shipping to be furnished by the Supreme Commander for the Allied Powers all eligible Korean repatriates from Hakata Reception center not later than 28 December 1946.
  b.(1)Accept and process at reception centers located at Nagoya, Kure, Kagoshima and Sasebo until 22 December 1946 repatriates destined the Ryukyu Islands who are eligible for repatriation under the provisions of reference 1 b above.
    (2)Outload in shipping to be furnished by the Supreme Commander for the Allied Powers all eligible Ryukyuan repatriates from the Nagoya, Kure, Kagoshima and Sasebo Reception Centers not later than 28 December 1946.

2.上記1cの条項に従った日本から北緯38度以南の朝鮮への朝鮮人の大規模送還は、1946年12月15日に完了した

4.日本政府は
  a.(1)1946年12月27日まで、上記1cの参照の条項による送還の資格を有しながら、1946年12月15日以降に博多地方引揚援護局に到着する、北緯38度以南の朝鮮に向かう送還者を博多地方引揚援護局に受入れて処理すること
    (2)1946年12月28日以降、連合国最高司令官によって提供される博多地方引揚援護局からの資格を有する全ての朝鮮人送還者の送出は行なわれない
  b.(1)1946年12月22日まで、上記1bの参照の条項による送還の資格を有し琉球諸島に向かう琉球人を、名古屋、呉、鹿児島及び佐世保地方引揚援護局に受入れて処理すること
    (2)1946年12月28日以降、連合国最高司令官によって提供される名古屋、呉、鹿児島及び佐世保地方引揚援護局からの資格を有する全ての朝鮮琉球人送還者の送出は行なわれない

綿貫響「事情があって止むを得ず計画送還に従えなかった人々の送還も12月28日までに終わるように言っているわね」

上原都「もっとも、そういう人々の送還は1947年以降にも行われるんだけどね」

SCAPIN1445 Repatriation of Koreans who have not Forfeited Their Privilege of Repatriation to Korea South of 38゜ North Latitude 北緯38度以南の朝鮮への送還特典を喪失していない朝鮮人の送還

 2.In regard to South Koreans mentioned in reference of paragraph 1 c above, the Imperial Japanese Government will:
   a.Investigate and reconsider the merit of each request for repatriation made by individuals of this group to insure that the failure to move under previous repatriation directives was due to circumstances beyond their control.
   b.Assemble and transport to the reception center at Sasebo prior to 31 January 1947 all individuals of this group found to be eligible for repatriation under the provisions of references of paragraph 1 a and b above, and ready to accept repatriation.

2.参照のパラグラフ1cで言及される南部朝鮮人について、日本政府は
  a.このグループの送還要請を調査・再考し、彼等の左右できない状況のために前回の送還指令に従う移動ができなかったことを確実にすること
  b.参照のパラグラフ1aとbの条項の送還資格があると判明したこのグループの個人全員を1947年1月31日以前に佐世保の引揚援護局に集結させて輸送し、送還を受け入れる準備をすること

上原都「ここで「参照のパラグラフ1c」とされているのはCLO7029のことよ。内容は こっちにあげているんだけど、ようは送還特典を喪失していない朝鮮人についての報告ね」

白鳥鈴音CLO1616の時と同じで、添付文書の報告書は収録されていないんだね」

SCAPIN1509 Repatriation of Koreans Who Have Not Forfeited Their Privilege of Repatriation to Korea South of 38°North Latitude 北緯38度以南の朝鮮への送還特典を喪失していない朝鮮人の送還

2.Definite information concerning status of South Koreans eligible for repatriation remaining in Japan after departure of 31 January 1947 shipment is required.

4.In connection with the South Koreans mentioned in reference of paragraph 1 a above, the Imperial Japanese Government will:
  a.Determine numbers of this group remaining in Japan who are still eligible for repatriation and the earliest practicable date this remainder can be repatriated.
  b.Submit a report to the Supreme Commander for the Allied Powers prior to 28 February 1947 showing results of survey conducted according to paragraph 4 a above.
  c.Concurrently process individual requests of this group for repatriation according to the provisions of reference of paragraph 1 a above.

2.日本に留まっており1947年1月31日以降出発する送還資格を有する南朝鮮人の状況に関する明確な情報を要求する

4.上記パラグラフ1aの参照で言及された南朝鮮人に関して、日本政府は
  a.まだ送還資格を有し日本に留まっているグループの数及びその残留者の送還できる最も早い日付を決定すること
  b.上記パラグラフ4に関して行なった調査結果を1947年2月28日以前に連合軍最高司令部に提出すること
  c.上記パラグラフ1aの条項による送還者グループの個々の要請を並行して処理すること

綿貫響「ふーん。なんだかんだ言っても送還は継続しているんだ」

神楽「結局、何人が送還されたんだ?」

上原都「『History of the nonmilitary activities of the occupation of Japan 1945-1951 vol.16 Treatment of Foreign Nationals(日本語版は『GHQ日本占領史 第16巻 外国人の取扱い』)』によれば、1946年3月18日の送還希望登録による計画送還でその年の12月31日までに送還された朝鮮人は113,921人とされているわ」

上原都「ついでにその本から45年8月から50年4月までの送還者数データを引用しておくわ」

Appendix 1.
Table B.

NUMBER OF REPATRIATES FROM JAPAN, BY NATIONALITY
November 1945 - April 1950 a/

    Total Chinese Formosans Koreans Pacific Ocean
Areas
Natives
Ryukyuans Others
1945                
  Nov 417,001 11,399   405,602      
  Dec 237,522 19,007 3,464 214,617   434  
1946 Total 500,961 1,175 28,352 309,553 160 158,372 3,349
  Jan 75,935 277 4,055 66,765   4,768 70
  Feb 120,590 13 14,634 96,610   9,269 64
  Mar 63,768 173 1,939 58,903   2,753  
  Apr 34,461 2 1,843 32,616      
  May 22,734 317 5,825 16,592      
  Jun 6,396     6,396      
  Jul 937 217   720      
  Aug 16,908 24   9,723   7,161  
  Sep 44,622     6,956   34,451 3,215
  Oct 38,117 34 45 2,643 154 35,241  
  Nov 56,101 118 11 7,331 5 48,636  
  Dec 20,392     4,298 1 16,093  
1947 Total 24,558 131 1,691 8,049 11 14,677  
  Jan 497         497  
  Feb 835     835      
  Mar 3,528 25 1,137 266   2,100  
  Apr 1,489 27 103 82 1 1,276  
  May 2,011   85 1,201   725  
  Jun 2,396     1,546   850  
  Jul 2,085 67 289 1,159   570  
  Aug 2,701   5 1,190   1,506  
  Sep 3,050     1,592   1,458  
  Oct 2,348     31   2,317  
  Nov 1,085 12 72     1,001  
  Dec 2,534     147 10 2,377  
1948 Total 7,733 55 611 2,568 b/ 15 4,484  
  Jan 485     NA   485  
  Feb 265     19   246  
  Mar 430 16 9 76 1 328  
  Apr 856     157   699  
  May 199 22 79 98      
  Jun 920 6   264   650  
  Jul 706     360   346  
  Aug 695     271   424  
  Sep 991 6 79 393   513  
  Oct 356     356      
  Nov 1,518 5 444 262 14 793  
  Dec 312     312      
1949 Total 5,923   26 3,449 2 2,446  
  Jan 763     305 1 457  
  Feb 631     631      
  Mar 1,247   6 494   747  
  Apr 1,086     182   904  
  May 131     129 1 1  
  Jun 202     202      
  Jul 174   6 150   18  
  Aug 268   2 219   47  
  Sep 323   2 183   138  
  Oct 281   5 224   52  
  Nov 141   5 136      
  Dec 676     594   82  
1950 Total              
  Jan 281     281      
  Feb 659     649   10  
  Mar 446     439   7  
  Apr 642   1 641      
a/ As of end of month.
b/ January figures not included.

SOURCE: G-3 Operations Reports.



上原都「また同書によると、計画送還がいちおう終了した46年12月末日の時点で日本に残っているのは532,850人となってるんだけど、ここから47年以降50年4月までの送還者16,076人を差し引いて、また密航による流入者を足して、出産・死亡による増減を加味すると在日本居留朝鮮人、いわゆる在日の基礎的人口になるわね。計画送還について終了できたし、今回はここでオシマイにするわ」

綿貫響「ということは、確認できるだけで少なく見積もっても51万人が戦後の在日の基礎になるのね」

白鳥鈴音「密航による流入者は正確にはわからないしね」

神楽「次回からは何を見るんだ?」

上原都「次回からは、北緯38度以北の朝鮮への送還や朝鮮からの密航についてみていくわね…いつもどおりの史料の列挙は
こっちね」

綿貫響「この史料一覧表で容量を食うから一ヶ所にまとめたのよねぇ」


>>第6回

<<第4回

>>トップ